新京成電鉄では、重大事故や大規模災害の発生時における、お客さま救護、救出、併発事故の防止や対応能力向上を目的として、一年に一度、鎌ケ谷消防署協力のもと、鉄道部門全体が一丸となり、異常時総合訓練を実施しています。
1. 開始
旗の合図で、列車が乗用車と衝突し脱線したという想定で訓練が開始されます。
2. 事故状況の確認
運転士は事故乗用車の状態を確認し、発炎筒を用いて多重事故防止に努めると共に、あわせて車内に負傷者がいないか車掌に確認するよう指示。乗用車の状況についても運輸司令へ報告します。
3. 車内の確認
車掌は乗客に対して事故発生したことを放送すると共に、車内に負傷者がいないかを確認します。
4. 負傷したお客さまの救護
車掌は負傷者を確認後、救護(声掛け)をし、症状を確認します。
5. 停止の指示
運輸司令より当社線内を走行する列車の全ての運転士に、停止するよう指示します。また、事故状況の説明後、救急車、レスキュー隊、駅係員に現場へ急行するよう要請します。
6. お客さまの救出
現場にレスキュー隊が到着後、線路の安全を確認し、まず負傷者を担架で救出。そのあと座席をスロープにして、お客さまを安全な場所に避難させます。
7. 支障した自動車の撤去作業の訓練
支障した自動車に取り残された搭乗者をレスキュー隊が救出し、併せて本線復旧のための撤去作業訓練を行います。
8. 切断した架線の修復作業の訓練
事故や自然災害により、切れた架線の復旧作業を行います。
9. 故障した踏切設備の修復作業の訓練
故障した踏切設備が、事故の影響により不具合を生じることの無いよう、修復及び配線の点検を、一つ一つ細やかに行います。
10. 脱線車両の復旧訓練
脱線した車両を、油圧でジャッキアップし、線路に車両を移動させ、復旧します。
11. 線路の復旧作業訓練
損傷した線路の復旧作業を行います。
12. 事故列車の移動
事故列車が自力で運行不能になった場合、救援列車を係員の手旗信号により連結し、事故現場より移動させます。
13. 心肺蘇生法の訓練
事故による負傷者および重体のお客さまほか、急病人が発生した際に、迅速的確に対応が出来るよう、消防署の指導のもと、訓練用の人形とAED(自動体外式除細動器)を用いて、心肺蘇生法の訓練を行います。