EB装置搭載車両におけるブザー鳴動開始時間が延びる事象について
2014年10月10日
新京成電鉄(本社:千葉県鎌ケ谷市、社長:笠井 孝悦)では、当社が所有するEB(Emergency Brake:エマージェンシーブレーキ)装置搭載の運転台付き車両においてブザー鳴動開始時間が延びる事象が発生することが、調査の結果判明しました。
EB装置とは、列車が走行中に、運転士が力行操作、ブレーキ操作などの運転操作を一定時間扱わないと、ブザーが鳴動し、さらに5秒の間にこれらいずれの操作も行わなければ、運転士が疾病等の異常状態にあると判断し、自動的に非常ブレーキを動作させる装置のことです。
当社では、該当するすべての車両でブザーが鳴動するまでの時間を60秒に設定していますが、今回の調査の結果、ある特定の条件下で60秒以上となる事象が発生することが判明しました。これにより、運転士が疾病等の異常状態にある場合に、非常ブレーキが作動するまでの時間が、ある特定の条件下で設定値より延びることがありますが、この事象は保安装置であるATS(自動列車停止装置)の動作に影響を与えるものではなく、ATSにより停止すべき状況下においては正常に停止しますので、列車衝突の危険はありません。
詳細につきましては以下のとおりです。
- ◆発生する事象
- 運転士が同じノッチのまま継続して走行中に、ATSによるブレーキが自動的に動作し、減速して走行を継続した場合などに、ブレーキ動作を運転士が操作したものと誤認識し、タイマーがリセットされ、EB装置のブザーが鳴動するまでの時間が、その時点から再度60秒に戻る事象が発生します。
- ◆対象車両数
- 40両(いずれも運転台付き車両)
- ◆原因
- EB装置の電気回路が、ATSによるブレーキが自動的に動作した場合に運転士が操作した場合と同様に認識する仕様となっているためです。
- ◆対策
- 運転士が運転操作をせずに走行中に、ATSによるブレーキが自動的に動作した場合でも、EB装置のブザーが鳴動するまでの時間を60秒とするよう、電気回路の変更を実施すべく準備中です。